江田島の海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)を観光してきたよ。見学には注意点あり。

2018年8月29日

週末を利用して広島を観光してきました。

2泊3日の旅行だったのですが、その中日に訪れたのは今回ご紹介する江田島の海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)です。

海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)は、古くは海軍のエリートを養成する学校で、現在でも海上自衛隊の幹部候補生の学びと訓練の場として活用されている施設ですが、現在施設の一部は一般に公開されていて、無料で見学できるのです。

実は今回の訪問は兄弟が企画したもので、僕自身は全く予備知識無しで訪問してしまったのですが、結果として素晴らしい体験となりましたので、アクセスや注意点を含めまとめておきたいと思います。

広島市内から海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)のアクセスは高速船とバスを利用

宿泊したホテルのある広島市内から、海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)へは、広島港(宇品)から高速船で向かいます。

高速船は比較的コンパクト。席数はあまり多くありませんでした。

この日は先日発生した水害の影響もあるのか、土曜日にも関わらず乗船する方はそんなに多くありませんでしたが、通常の観光シーズンならば時間には少し余裕をもって乗船した方が良いかもしれません。

広島港(宇品)から江田島(切串・小用)までの時刻表を貼っておきますね。

所要時間は22分〜24分程度。戻りも同様です。

江田島の港に到着すると、そこからはローカルバス「大栗高校、山田、深江行き」に乗り、7分程度で到着しました。

バス停は「術科学校」です。

アクセス(広島駅より)

広島駅から市電(宇品行き)⇒ 広島港(宇品)から高速船 ⇒ 江田島小用港 ⇒ ローカルバスで「術科学校」下車 ⇒ 徒歩(100m)

海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)の見学方法

海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)に到着すると、入り口で受付を行います。

受付時に身分証明書は不要でした。

受付を済ますと、見学者の控室へ向かいます。

こちらでは案内頂く方から施設の概要と注意点の説明があります。見学は1日平日は3回、土日祝は4回、いずれも見学できる時間が設定されていますので見学開始の5分ぐらい前までには受付を済ませ、集合場所へ到着しておく必要があります。

見学は案内人が同行するツアー形式ですので、個人行動はできません。見学は約1時間半あり、途中退場もできないので注意が必要です。

見学時間

 平日土・日・祝日
1回10:30~12:0010:00~11:30
2回13:00~14:3011:00~12:30
3回15:00~16:3013:00~14:30
4回 15:00~16:30

見学時の服装に注意!

海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)を見学するには服装に注意する必要があります。

施設の一部(教育参考館)を見学する際、禁止されている服装があるのです。

公式HPから引用しますが、服装と履き物について以下のような注意が書かれています。

教育参考館は一般の観光地ではありません。
海上自衛官の心の「勉強の場」及び旧海軍戦没者の「慰霊の場」であるため、次の服装での見学、入館はお断りしております。

<服装>
① タンクトップ、ノースリーブ、キャミソール等袖のない服装 必ず上に羽織るものをご持参ください。
② ダメージ加工されている衣服等
③ 極度に丈の短いスカート等
④ コスプレ
⑤ 短パン(半ズボン、7分丈等)
   極力ご遠慮ください。お声かけさせていただくことがありますのであらかじめ ご了承ください。

<履き物>
 90分間徒歩での移動になります。歩きやすい靴でお越しください。
① スリッパ、ビーチサンダル等
   履き替えていただきます。
② 下駄、雪駄等
   履き替えていただきます。
③ スパイク等靴底に金属がついた靴
   カバーをするか履き替えていただきます。
④ ヒールの高い靴等

何も調べずに訪問してしまった僕は、最悪なことに当日の足元はサンダル、そしてハーフパンツでした。

かなり焦ってしまいましたが、スニーカーのような見た目のサンダルが幸いしたのか、はたまた案内人の方がぐっと堪えて頂けたのか(後者の可能性大)、入館を止められることはありませんでした。

皆さんはくれぐれも訪問時の服装にはご注意下さい。

海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)を見学

大講堂

前置きが長くなりましたがいよいよ見学の開始です。

見学ツアーのスタートは大講堂です。

あまり古さを感じない綺麗なこの大きな建物は、実は1917年に建てられています。すでに100年も前の建物なんですね。少し前に改修工事が行われたそうで、壁面がここまで綺麗になっているそうです。

西洋の教会を参考にして設計されていて、戦後は進駐軍により実際に教会として使われていた時期もあります。

大講堂は中も見学できます。

西洋風の内装が格好良いです。当時も今も卒業式はこの大講堂で行われていて、昔は成績順に並ばせられたんだとか。

海軍兵学校に入学できただけでもスーパーエリートではあるのですが、卒業式が成績順だなんて…。大変です。

幹部候補生学校庁舎(旧海軍兵学校生徒館)

続いて見学するのは1893年に竣工した幹部候補生学校庁舎(旧海軍兵学校生徒館)です。

こちらは外観のみの見学でした。

とは言え、ちゃんと撮影スポットは案内して頂けます。

この廊下は司馬遼太郎原作のNHKドラマ「坂の上の雲」でも撮影に使用されたんだとか。もう一度観たくなりますね。

教育参考館

最後に訪れるのは「教育参考館」です。

「教育参考館」は兵学校の卒業生や寄付などにより1936年、「先輩の偉業を偲び、「温故知新」によって自己修養と学術研鑽の資とする」目的で建てられました。

現在「教育参考館」には、勝海舟の書や、「坂の上の雲」にも登場した広瀬武夫の資料など、戦前や戦中の貴重な資料が展示されています。

こちらの「教育参考館」は、先述した服装だけでなく、写真撮影や携帯電話、スマートフォンの使用も一切禁止されていますので注意が必要です。案内人の方からも「絶対に使わないように。使用が発覚した場合は没収します」と厳しい注意がありました。

という訳で、館内の写真は当然ありませんが、「教育参考館」は見学する価値のある場所でした。決して過去の偉人を英雄として讃えているだけの場所でなく、特攻隊や潜水艇で亡くなった方の遺書も展示されていて、戦争の悲惨さも同時に伝える施設となっています。

施設の外には戦艦大和の砲弾や潜水艇が展示されていて、こちらは撮影可能です。

当時の写真や資料を調べて頂くことも

「教育参考館」では、親族に卒業生のいらっしゃる方は当時の記録を調べて頂くこともできます。

実は僕の親族も海軍兵学校の卒業生だったようで(この日母に聞くまで知りませんでした)、当日案内人の方に調べて頂き、卒業式の写真を目にすることができました。係の方がいらっしゃる日には写真のコピーも頂けるそうです。

親族に卒業生がいらっしゃる方は、お名前や卒業した時期を確認し、当日お願いしてみてはいかがでしょうか。

見学後は海軍カレーを堪能

施設の見学を終えると、集合場所の見学者控室(江田島クラブ)に戻って終了となります。

ここまできっちり1時間半。終始歩き続けることになりますので、歩きやすい靴は必須(サンダルは駄目よ)ですね。

そして、最後はご飯です。

見学者控室(江田島クラブ)にはレストランが併設されていて、あの海軍カレーを食べることができます。

見学ツアーの最後に海軍カレーのお話もあって、自然とカレーを欲する流れになっているんですよね。

カレーにはいくつか種類がありましたが、やっぱりここは「海軍カレー」です。

出てきたのはザ・スタンダードなカレーライスです。正直、感動するほど美味しい訳ではないのですが、当時、毎週カレーがメニューに登場することを楽しみにしていた兵学校の生徒さん達の話を聞くと、いろんなことを想像できて、味以外にも楽しめました。

ちなみに、メニューには「海軍コーヒー」なるものもあります。

興味があって注文してみましたが、普通のコーヒーでした。

確認したところ、「海軍コーヒー」と「食後のコーヒー」は同じものだそうです。

見学者控室(江田島クラブ)2F、海上自衛隊歴史ゾーンは子供も楽しめる

見学コースには入っていないので自由見学となりますが、見学者控室(江田島クラブ)の2階にある「海上自衛隊歴史ゾーン」は、自由に覗ける双眼鏡や船の操縦体験をできるコーナーがあり、子供たちに好評でした。

施設の見学コースはどちらかと言うと大人向けになりますので、最後は2階で子供達にも楽しんでもらいましょう。

あとがき

海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)は非常に見どころが多く、日本人ならば一度訪問する価値のある施設だと感じました。

日本の海軍がどのような歴史を持ち、現在の海上自衛隊へ繋がっているのか理解できますし、同時に戦争の悲惨さが伝わってくる施設でもあります。見学後は呉に渡って大和ミュージアムを見学すれば、より一層理解が深まるはずです。

広島市内からのアクセスも良く、半日もあれば見学できますので、広島観光の際には海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)を訪問することをお薦めします。

僕自身は若かりし頃の先祖に出会うという貴重な体験をして、強く記憶に残る場所となりました。

機会があれば親族を連れてまた訪問したいですね。

  • この記事を書いた人

モノタビ

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