フェス

FESTIVAL de FRUE 2023は究極の美食フェスだった

2023年11月8日

11月最初の週末、新幹線で人生2度目の静岡県掛川へ。

目的は鳥好きの聖地「掛川花鳥園」、ではなく(掛川花鳥園にも行ったけれど)、掛川で開催されている音楽イベントFESTIVAL de FRUE 2023。

FESTIVAL de FRUEは毎年気になるラインナップを揃えていて、いつか行きたいと思っていたのだけど、実際に参加するのは初めて。参加の決め手となったのは、ここ数年ライブを見たいアーティストの一人だったAngel Bat Dawidが来日することと、謎の覆面バンドClown Coreの出演も決まったことだった。

掛川駅に到着したのは8時半過ぎ。会場である「つま恋リゾート彩の郷」へのバスは始発が10時半なので迷わずタクシーを利用。タクシー代は2,000円程度だった。

降車したホテルノースウィング前から、チケットを交換する会場までは徒歩で数分。荷物の多い新幹線(電車)組はタクシー一択だと思う。費用が気になるなら相乗りでも良いしね。

会場に着くと、すでにリストバンド交換組の列ができていた。

でも、ほぼ先頭。

さすがに早すぎたか?と思ったが、2時間ほど後から合流した友人曰く、「交換の列は激混み」だったらしいので、正解だったのかも。恐らく、受付が1組さばくのに時間がかかり過ぎなんだと思う。なんて、いきなり少し意地悪な表現をしてしまったけれど、最初の混雑さえクリアしてしまえばあとは天国だった。ちなみに、運営スタッフさん達は皆びっくりするぐらい親切だし明るい。そしてゆるい。

リストバンドの交換後はキャンプサイトまで移動する。フジロックほど急な坂はないけれど、重いテントは地味に辛い。

暑い、暑すぎる。夏ような気温の中、久しぶりに使う大きなファミリーテントの設営には本当にまいってしまった。でも、環境は最高。キャンプエリアとなるゴルフ場の芝の状態は極上で、フジロックのようにテント同士が過密になることもない。

テントから出なくてもステージの音が聞こえてくるし、テントの中で1日を終えてしまっても良いぐらい心地よい。これは危険。本当にライブを見ないまま終わる可能性大。

さすがに腹も減ってきたし、なによりもビールが飲みたい。食べ物を求めてテントを出た。

メインステージ(The Hall)前のフードブースには長い行列。

この日最初に食べるものはすでに決めていた。

蕎麦。

手打ち。しかも石臼を持ち込んでいるらしい。もう変態である。

蕎麦の味?最高。訳が分からない。なぜフェスでこんな美味い蕎麦が食えるのか。

ジャガイモの天ぷら(ガラムマサラ塩)なる未知の串も注文してみた。これまた最高に美味い。立ち上がって拍手したくなる。

FESTIVAL de FRUEの評判の一つ「何を食べても美味しい」は本当だった。なぜなら、家族の注文したチキンサンド(別の店)も、お世辞じゃなく美味しかったから。この瞬間、「FESTIVAL de FRUE 2023」の目的が完全に「飯>音楽」になってしまった。次何のライブを観るかよりも、次何を食べるかしか考えられない。

見ようと思っていたライブも見ずに温泉に入り、ビールを飲み、次何を食べるかを相談する。そして、腹が空いてきたところで、次の飯を食べる。

麻婆豆腐丼(だったかしら)もまたレベル高い。

これは名前を忘れてしまった。米にビーフンがのっているような不思議な味。(褒めてます)

もちろんライブも見た。

Angel Bat Dawidはまさかのソロ。フリー・ジャズ要素が強めのステージを期待していたけれど、少し違った。時にジャスであり、エレクトロニカでもあり、正直な感想としては少し方向性の定まらないライブだったように思う。でも、彼女の凄さの片鱗は見せていたし、次の機会があるならまた見たい。

続いてみたのGEZAN。ドロドロした前半が好き。歌要素が強めになる後半は少し苦手。でも、GEZANの人気は納得できる。

覆面バンドClown Coreはいろんな意味で変態。子供には見せられない。そういえば、会場で目撃情報のあったアーティストが2人ほど出演していない気がする。

最後はAcid Pauli × Viken Armanを観るつもりだったけど、眠くなってしまったのと、明日も早起きしなきゃなので断念。なぜ早起きかって?美味いご飯を確保しなきゃだからに決まっている。

二日目。

朝7時。少し寒い。でも、早くテントを出ないと。ほら、もう朝食の販売が始まっている。

散々迷った挙句に並んだ店は、販売開始まで随分と待った。でも、早起きしたものだけに与えられる選択肢の多さが嬉しい。

コーヒー1杯にしてもこの丁寧さ。当然美味い。

クリームクロックムッシュもアップルパイも最高。FESTIVAL de FRUEがすごいのは、主食以外(スイーツ、コーヒー他)も漏れなく美味しい点だと思う。「フェス飯にしては美味しい」というレベルじゃない。

食後は会場周辺を散歩して、園内でみられる野鳥をチェック。夏はサンコウチョウがいるらしい。でも、実際に目にしたのはカラスとシジュウカラのみ。ヤマガラとコゲラ、あとよく分からない鳥の鳴き声もしたが正体不明。

散歩が終わると、少し早いけれど昼食でも良い時間に。いや、かなり早いか?(11時前)まぁいいや。

ビールとわさび飯。なぜに、なぜにこんなに美味いのか。

この後は昨日と同じパターン。食後に観るつもりだったTim BernardesとSam Wilkesをすっ飛ばして温泉へ。全部美味い食事のせいだ。ライブを見なくても満足してしまうんだもの。

温泉もまた快適そのもの。施設は広くて綺麗だし、サウナもある。そして2日とも日中なら空いていた。(朝は混んでいたみたい)

幸せ。

ライブを見逃した後悔はない(帰宅後、かなり後悔)

テントに戻ると、GEJUのステージが始まった。良い。少しサイケデリックで、どこか暗く、ゆるーく踊らされる。ひたすら煽られるテンポの早いダンスミュージックにはもうついていけない。しかし、この音ならずっと聴いていたい。でも、DJ Oliveキャンセルの影響で、このあと4時間もやるのよね。さすがにずっと観る訳にもいかないので移動する。

次に観るのは、いくら何でもこれだけは見逃してはいけないと心に誓っていたHermeto Pascoal e Grupo。

でも、その前に腹ごしらえをしなきゃ。

ファラフェル。多分、日本で食べたファラフェルで一番美味しかった。 

レンコンとさつまいもの入ったチップスも食べ出したら止まらない。食べ終えたらまだ17時半。Hermeto Pascoal e Grupoまではもう少しある。明日は食事の提供がないので、今のうちに朝食を確保しておかなきゃ。

無事チャイのスコーンやアップルパイなどを確保して、その後ホテル裏を散歩。ライトアップは凄いのに人がいない。

やっと本日のメインアクト、Hermeto Pascoal e Grupo。彼については全然詳しくなくて、なぜ皆がHermeto Pascoal e Grupoの名前ばかり出すのかイマイチ理解できていなかったけれど、ライブを観て納得した。陽気、多幸感、凄み。なんと形容して良いのか分からないが、FRUEのコンセプト「魂の震える音楽体験」が、Hermeto Pascoal e Grupoのライブに凝縮されていたと思う。

Blake Millsも途中まで見た。Hermeto Pascoal e Grupoで高まった会場の熱をじっくりと冷ますような、澄んで素敵なライブ。最後まで見なかったのは結構後悔しているけれど、混み合う前にしておきたかったことがあったので仕方ない。

そう、小腹が空いたのだ。店舗が閉まってしまう22時ギリギリに注文。写真はボケすぎて何だか分かりにくいけれどタコスです。こんなジューシーなタコスは食べたことがない。豚の油が溢れ出てきて、食べにくさも過去一だったけれども、最高にうまい。お店(Los Tacos Azules)は三軒茶屋と恵比寿にあるのね。絶対行く。

三日目。

本日は10時までに完全撤収する必要あり。雨は降っていないのにテントは結露がひどくて撤収時は苦労した。

テントに関しては、軽く気軽に持ち運べるものの方が良かったな。広いテントは設営も撤収も大変。設営にかかった時間をビールと食事にあてたかった。

さて、朝食。もう分かっていると思うけれど、やっぱり美味しい。温かいコーヒーがあればさらに完璧な朝だった。

少し高い場所からテント撤収前の記念撮影。昨晩のうちに帰る人も多くて、さらに空いている。

FESTIVAL de FRUE、良いフェスだったな。また絶対に戻ってきたいと思えるフェスは本当に久しぶり。

参加者から称賛の声ばかり流れてくるFESTIVAL de FRUEを変に怪しんでいた過去の自分をぶんなぐってやりたい。来年誰がきたらまた来よう、なんて一切考えていない。無条件で参加するつもり。

終始飯の話ばかり書いてしまったので、最後にライブの話を少しだけ。

観たライブはどれも音が良かったことが印象的。機材が良いのか、元々ヤマハの施設だったこの会場が良いのか。多分両方なんだろう。

ラインナップに関しても、結果として観たライブは少なかったけれど、観たくないライブはなかった。(これが凄く重要) ライブ中、座って観る選択肢があるのも助かる。

あと、主催者側も来場者も素敵な大人ばかりだった点も過去に参加したフェスとは大きな違いかも。大人が余裕をもって楽しむフェス。こんな心地よいフェスは初めてだ。もちろん、FESTIVAL de FRUEの美食尽くしも異例、異色。こんなフェスが存在するなんて信じられない。

最後に、来年に向けて自分用のメモ。

  • テントは小さく軽いやつがベスト
  • 重い荷物の移動はそれなりに大変
  • 到着時間は早くても問題なし
  • 往復ともタクシーが楽(片道2000円程度)
  • 帰りのタクシーはテント撤収の目処がつき次第電話しておいた方が良い
  • HPのフードラインナップは熟読しておく
  • スイーツを食べる余力を残しておくとさらに幸せに
  • 体重は間違いなく増える
  • FESTIVAL de FRUEは物販エリアも危険
  • 食事と物販で大金が飛んでいく
  • コーヒー用に水筒を持参しても良さそう
  • 雨が降らなくても夜露がひどいのでテントを拭く雑巾を忘れるな(今回唯一の忘れ物)
  • 風呂は昼なら空いている
  • 風呂はタオルのレンタルあり(有料)
  • 参加者がお洒落すぎる(圧倒的なアウェー感)
  • お洒落な大人が参加するフェスはトイレが綺麗
  • 掛川駅のコインロッカーは少ない。観光案内所で預けることも可能。
  • 最終日はさわやかに行く時間を捻出すべし(今年は断念)
  • 鮪屋みやぎも美味い(掛川駅から徒歩圏内)

※今回、初めて「です・ます調」以外で記事を書いてみました。なんだか偉そうだし、自分でも慣れませんがお許しを。

  • この記事を書いた人

モノタビ

MONOTABI(モノタビ)は、旅や日常に使えるギアの紹介を中心に、話題の情報やモノを紹介するブログです。記事はパタゴニア、カメラ、旅、音楽、アート、下町情報多めです。

-フェス