9月の前半に、夫婦で木曽駒ヶ岳に登ってきました。
木曽駒ヶ岳は、長野県南部に位置する中央アルプスの最高峰(標高2956m)です。
なんて書くと「大変そう…」と思われるかもしれませんが、実は登山初心者にもおすすめとして紹介されることの多い山です。実際、登山初心者の僕たち夫婦でも、大きなトラブルなく登ることができました。
とはいえ、初めて行く山ということもあり、わからない部分や戸惑うこともいくつかありました。そこで、今回の登山で調べたこと(主に東京からのアクセス)や気づいた点を、実際の様子とあわせてお伝えします。
目次
登山初心者でも無理なく絶景を楽しめた木曽駒ヶ岳
今回登山したのは、ロープウェイの駅からスタートし、乗越浄土、中岳を経由して木曽駒ヶ岳を目指すコースです。
そして、評判通り、木曽駒ヶ岳は体力のない登山初心者でも楽しめる山でした。
まず、ロープウェイで2,612mまで一気に登れてしまう点が、登山初心者としては最高でした。おかげで、300mほど登れば、2,956mの木曽駒ヶ岳山頂に到達できます。それで良いのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それが良いのです。
ロープウェイの駅を出た瞬間からこの風景。スタートからもう最高です。
道中は、どこを見ても絶景という贅沢さ。
スタートから乗越浄土まではかなり急な登りが続き、正直なところ、結構きつい(本音ではかなりきつい)部分もありますが、登山道は整備されているので、明らかに危険な箇所や特別な登山技術を必要とする場所はありません。(とはいえ、うっかり足を踏み外せば大怪我になりそうな場所はあるのですが)
唯一、宝剣岳だけは明らかに登山初心者には危なそうだったので、今回は眺めるだけにしておきました。
その後、中岳を経由して木曽駒ヶ岳へ向かいました。登山道には大小の石があり、登りも下りも多少注意が必要ですが、全体的に難易度は低めです。
前を見ても振り返っても絶景。
さらに、途中では雷鳥にも出会うことができました。
無事に約3時間で木曽駒ヶ岳の山頂に到着。
下山時には少し雲がかかってきましたが、
大きく崩れることはなく、無事下山することができました。
高山病には要注意かも
技術的には登山初心者でも全く問題ありませんでしたが、過去の登山では経験したことのないキツさもありました。
ロープウェイで駅に到着後、15分ほどで登山を開始したのですが、息はすぐにきれるし、だんだん頭痛もしてくるしで、体調が怪しくなってきたのです。
幸いなことに、途中から徐々に回復し、木曽駒ヶ岳の山頂に到達して下山する頃には完全に良くなっていたのですが、あの時は高山病になりかけていたのかもしれません。
考えられる原因としては、ロープウェイで900m以上の高度を一気に移動したことや、寝不足だったことなど、いくつか思い当たる点があります。
高山病は個人差が大きいようですが、もう少し時間をかけて体を高度に慣らしてからスタートすべきだったと反省しています。
9月上旬の木曽駒ヶ岳登山時の服装
木曽駒ヶ岳を登山したのは9月8日でした。
天気予報では山頂付近の気温は10度前後が続いているとのことでしたが、以下の服装で十分に快適に過ごせました。
- 長袖Tシャツ:パタゴニア ロングスリーブ・キャプリーン・クール・メリノ・シャツ
- 半袖Tシャツ:パタゴニア キャプリーン クール デイリー グラフィック シャツ
- 長袖山シャツ:パタゴニア ロングスリーブ・セルフガイデッド・サン・シャツ
- トレッキングパンツ(中厚手):パタゴニア ポイント・ピーク・トレイル・パンツ
- ソックス
- トレッキングブーツ:LOWA BALDO GT
- 帽子
- サングラス
薄手のフリースやウィンドブレーカー(別途レインウェア)も携帯していましたが、使用する場面はありませんでした。正確な気温はわかりませんが、短パンと半袖で登っている方もいたくらいなので、それほど寒くはなかったと思います。風もほとんど吹いていませんでした。
靴に関しては、最近の登山で履いているローカットのトレイルランニングシューズではなく、トレッキングブーツ(LOWA BALDO GT)を選びました。午後から雨の予報が出ており、防水でないトレランシューズでは不安だったためです。結果として、雨は降らなかったのですが、何度か足を捻りそうになる場面もあったので、足首の安定性があるトレッキングブーツを履いて正解でした。
東京から木曽駒ヶ岳(千畳敷カール)までの公共交通機関を使ったアクセス方法
東京から木曽駒ヶ岳(千畳敷カール)へのアクセスには、公共交通機関を利用する場合、いくつかのルートがあります。電車と路線バスを組み合わせる方法、または高速バスと路線バスを組み合わせる方法のどちらかです。どちらのルートを選んでも、最後は路線バスとロープウェイを利用することになります。
1. 電車・バス・ロープウェイを使ったルート(所要時間:約5時間以上)
新宿駅 →(中央本線:あずさ)→ 上諏訪駅 または 岡谷駅 →(中央本線:豊橋行)→ 駒ケ根駅 →(路線バス)→ しらび平駅 →(ロープウェイ)→ 千畳敷駅
参考費用(片道)
- 電車:6,750円
- 路線バス:830円
- ロープウェイ:1,230円〜
2. 高速バス・ロープウェイを使ったルート(所要時間:約4時間以上)
バスタ新宿 →(高速バス)→ 駒ヶ根駅前 →(路線バス)→ しらび平駅 →(ロープウェイ)→ 千畳敷駅
参考費用(往復)
- 11,500円(新宿線駒ケ岳千畳敷カールきっぷ)
このきっぷには以下の内容が含まれます:
- バスタ新宿(南口)から駒ヶ根バスターミナルまたは中央道駒ヶ根インターまでの高速バス往復乗車券
- 駒ヶ根駅前または女体入口(駒ヶ根インター)からロープウェイ駅(しらび平)までの路線バス往復乗車券
- 駒ヶ岳ロープウェイしらび平駅から千畳敷駅までの往復乗車券
- 早太郎温泉の日帰り入浴割引券、こまくさの湯・信州苑のお土産物割引券
3. 電車・バス or タクシーを使ったルート
路線バスを利用したくない場合、タクシーを利用することも可能です。
駒ケ根駅からしらび平駅までのタクシー代
- 6,500円~7,000円程度
【参考サイト】
実際の電車とバス移動は結構大変だった
今回は電車とバスを使い移動しました。
5時前に家を出発し、上諏訪駅に到着したのは9時過ぎ。ここで豊橋行きの電車に乗り換え、駒ケ根駅を目指します。やっと電車を降りられると思ったら、まだ1時間45分の電車旅が残っていました。距離のわりに時間がかかるなと思っていたら、各駅での停車時間がやたらと長かったことが原因でした。
11時7分に駒ケ根駅へ到着。でも、これで移動は終わりではありません。
ここから路線バスに乗り換えます。
バスの運行は時間帯によりますが、30分おきに出ています。11時7分に駅に着いたので、11時30分のバスに乗り、45分ほどかけてしらび平に向かいました。
ついに、しらび平に到着!ドアツードアで約7時間半もかかりました。
「さあ、宿へ向かおう」と思っていたら、ひどい勘違いをしていました。実は、宿に行くには菅の台バスセンターで降りなければならなかったのです。結局、しらび平に着いてすぐに菅の台バスセンターまで戻る羽目になり、なんだか疲れも倍増した気分でした。
駒ケ根駅はICカード非対応、精算に注意
駒ケ根駅はICカード決済に対応していないため、電車を降りる際は車内で現金精算をする必要があります。普段、現金をあまり持ち歩かない方は特に注意が必要です。
我々は、乗り換え駅(今回は上諏訪駅、時間によっては岡谷駅)で一度改札を出て、JRのチケットを購入しました。しかし、もし改札を出ずに精算していた場合よりも、200円ほど高くなってしまいました。これはこれで少し微妙な判断だったかもしれません。
登山初心者なら前泊した方が安心かも
今回は、早太郎温泉に1泊し、翌朝早くに登山を開始するというスケジュールでした。
早太郎温泉に前泊した理由は、東京から木曽駒ヶ岳に向かう場合、いくら早く出発しても、登山を開始できるのはお昼過ぎになってしまうからです。山小屋やテント泊を予定しているならその時間でも問題ないかもしれませんが、午後は天気が崩れやすく、登山初心者としてはできるだけ午前中の早い時間に登山をスタートしたいところです。
宿泊したのは「駒ヶ根リトリート すずらん颯」でした。
施設は新しくはないものの、清潔で快適な宿です。食事は少し健康志向なので、濃いめの味付けが好みの方やボリュームを求める方には少し物足りないと感じる方もいるかもしれませんが、私たちにとっては十分でした。
朝の5時から長いバス待ちの行列
翌朝、5時前に宿を出て菅の台バスセンターへ向かいましたが、すでにバス待ちの行列ができていました。係の方によると、この日は比較的少ない方で、前日の土曜日はもっと混雑していたそうです。
「しばらく乗れないかも…」と思いましたが、臨時便の2台目に運よく乗ることができ、始発時刻の6時過ぎには出発しました。宿の近くで路線バスを待つか、菅の台バスセンターで臨時便を狙うか悩みましたが、この日は臨時便の方が早く出発したようです。
ちなみに、このバス待ちの行列を避ける方法としてタクシーを利用することもできますが、料金は5,000円ほどかかります。今回は運良くロープウェイにもスムーズに乗れたので、タクシーを使う必要は感じませんでしたが、ハイシーズンに登山をする場合は、タクシーの利用も検討してみても良さそうです。
路線バスとロープウェイのチケットは事前購入が便利
路線バスとロープウェイのチケットは現地でも購入できますが、どちらも行列ができていたため、事前に購入しておいた方が便利でした。
チケットはWEBで購入できるほか、宿で販売している場合もあります。どちらの方法でも利便性はそれほど変わりませんが、WEBで購入した場合、当日までキャンセルが可能というメリットがあります。
駒ヶ根名物「ソースカツ丼」は美味
登山前日の昼食には、駒ヶ根名物のソースカツ丼を明治亭でいただきました。お店は菅の台バスセンターから徒歩2分ほどの場所にあります。
今回注文したのはロースソースカツ丼です。
「名物に美味いものなし」とよく言われますが、このソースカツ丼はしっかりと美味しく、大満足でした。
特に、少し甘めのソースが絶妙で、カツとの相性が抜群です。他のお店でもソースカツ丼を試してみましたが、明治亭の方が断然美味しかったです。ぜひおすすめです。
まとめ|木曽駒ヶ岳は登山初心者にも最適な山でした
噂通り、木曽駒ヶ岳の登山は、初心者でも無理なく楽しめる素晴らしい体験でした。
ロープウェイで一気に高度を稼げるため、体力に自信がなくても絶景を存分に満喫できる点が魅力です。そして何よりも、終始素晴らしい風景が広がっているので、登りが辛くてもモチベーションが途切れることはありませんでした。(景色の悪い登山は、本当に辛いですよね)
ただし、東京からアクセスするには移動時間が長く、余裕を持ったスケジュールで臨む必要があります。また、高山病にならないよう、体を慣らす時間を確保した方が良さそうです。
美しい大自然と美味しい食事も楽しめる木曽駒ヶ岳。初心者の方も、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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