登山やハイキング用に、アルトラのトレイルランニング用シューズLONE PEAK 8(ローンピーク 8)を導入してみました。
今まで使用していたシューズはいずれもミドルカットばかりでしたので、初のローカット&トレランシューズとなります。
早速登山でも使用してきましたので、登山初心者の立場から、簡単な感想を書き留めておきたいと思います。
目次
アルトラLONE PEAK 8は登山に向かない?
実は、アルトラLONE PEAK 8の購入は少し不安を伴うものでした。
というのも、LONE PEAK 8を検討するにあたり、アウトドア専門店へ足を運び、何人かの店員さんへLONE PEAK 8の購入を相談したところ、いずれも「あまり登山用にはおすすめしないです」という回答だったのです。
理由としては、「トレイルランニングをする方や、ウルトラライト志向の方に人気ですけど、登山となるとやはり心許ないです。特に登山初心者の方ならもう少ししっかりとした登山靴をおすすめします。」ということでした。
それでも好奇心から購入してみたわけですが、そのアドバイスには大いに納得する部分もあり、一方でLONE PEAKがアルトラのベストセラーモデルである理由も実感しています。
指先が自由に動くって素晴らしい
LONE PEAK 8最大の特徴は、幅の広いつま先部分にあります。
アルトラには三種類の足型が用意されていますが、LONE PEAK 8は一番広い「オリジナル フットシェイプ」が採用されているモデルです。
ALTRA FootShape™(フットシェイプ)の詳細:https://altrafootwear.jp/blogs/blog/footshape-fits
僕の足幅は4Eもあるので、シューズ選びではいつも苦労しています。ところが、LONE PEAK 8ではワイドモデルがあるにもかかわらず、最終的に通常モデルを購入することになりました。そして、通常モデルでもめちゃくちゃ開放感のある履き心地を実感できています。
国内ブランドやサロモンなど、幅広のモデルが用意されていることもありますが、LONE PEAK 8ほど足先に開放感のある履き心地は経験したことがありません。
かと言って、指先以外はしっかりとフィットしているので、無理にワンサイズアップした時のような「ブカブカ」な履き心地とは全然違うのです。
この履き心地を登山やハイキングで試せるなら、間違いなく快適なはず、と、足入れした瞬間から確信してしまうほどでした。
LONE PEAK 8を初めて履いてみた高川山登山ではトラブル皆無
LONE PEAK 8を購入した数日後、実際に日帰り登山で履いてみました。
登ったのは、山梨県のJR初狩駅からスタートして、高川山から大月駅まで下る、約8km程度のコースです。
初めて履くシューズをいきなり登山で使用することには不安がありましたが、コースは初心者向けで、標高も976m程度、さらにLONE PEAK 8の履き心地良さから、「LONE PEAK 8なら大丈夫なはず」と、根拠のない自信を持って挑んでみたのです。
結果として、全く問題ありませんでした。
登りも下りもトラブルなし。やや心許ない気がしていた滑りそうな地面でも、意外なほどしっかりとグリップしてくれて、滑ることはありませんでした。また、少し角度の急な下りでも、シューズの中で足が滑ることもなく、安定した歩行が可能でした。
防水性の無さが心配でしたが、その代わりに、いつものシューズ(ゴアテックス)よりもはるかに蒸れや熱が籠る感じもありません。
そして、何よりも、軽量なLONE PEAK 8のおかげで、足さばきが容易で、身軽に歩けた感が素晴らしかったです。普段よりぐいぐい前に進める気がするんですよね。ソールはご覧の通り薄めですし、曲げようと思えばふにゃっと簡単に曲がってしまいます。この一見頼りなさそうなシーズが、いつもよりも快適な登山を実現してくれるなんて不思議ですが、「快適だった」ことは間違いありません。
良いですね、LONE PEAK 8。まだ使い始めですが、皆さんがLONE PEAK 8を評価する理由が分かる気がします。
LONE PEAK 8は相応の使いこなしと覚悟が必要かも
ただし、今回の登山だけで「LONE PEAK 8は登山初心者におすすめのシューズ!」なんて言うつもりはありません。
今回登山した高川山が初心者向けの登山コースだったこと。さらに、当日は快晴で、足元のコンディションも良かったことが、トラブルなくLONE PEAK 8を履けたことに影響していることは間違いありません。
ソックスを工夫すれば雨にも対応できるという話は聞いていますが、登山初心者としては、防水面が大いに不安です。また、ローカットシューズですので、水だけでなく砂や石が入りやすいというデメリットもあります。実際に、今回の登山では落ち葉がシューズの中へ入り込み、途中取り出す必要がありました。
まぁ、LONE PEAK 8に関しては防水モデルやミドルカットのモデルも用意されていますので、よほど気になるのであればそちらも導入するという選択肢もあるのですが、LONE PEAK 8の通常モデルが、登山においてどんな場面でも対応できる万能モデル、という訳ではないことは間違いないでしょう。
サイズ選びの難しさ、LONE PEAK 8ワイドモデルだったらさらに快適だった?
今のところLONE PEAK 8には全く不満がありません。心の底から「買って良かった」と思えるシューズです。
ただ、一つ気になっていることがあります。
それは、「ワイドモデルだったら更に快適なのか?」ということです。
実は、LONE PEAK 8を購入する際、店員さんからはワイドモデルの方をおすすめされていました。僕のサイズなら、ワイドモデルの方がメーカーが理想とする足先の動きを実現できるという話だったのです。
しかし、ワイドモデルにすると足先以外もゆったりとしてしまい、足が固定されていない感覚があったため、通常モデルのサイズ9を購入しました。
先述の通り、履き心地には満足しているのですが、「メーカーが理想としている」状態も経験してみたかった気もしています。
もしも、僕のように幅広の足を持ち、LONE PEAK 8を検討している方がいらっしゃいましたら、通常モデルとワイドモデルを実際に試し履きしてみて、じっくりと選ぶことをおすすめします。
ハイキングや日帰り登山にはLONE PEAK 8がファーストチョイスになりそう
一度LONE PEAK 8の快適さを経験してしまうと、なかなか重い登山靴に戻れなくなってしまいそうです。
LONE PEAK 8以外の登山靴を選んで登山すると、「LONE PEAK 8だったらもっと楽に登れたはず」と思ってしまう気しかしないのです。
ただし、先述の通り、雨が降ったり、数日分の重い荷物を持ち運ぶような登山ではLONE PEAK 8で問題ないのかの確証は得られていません。さらに、耐久性もまだ検証できていませんし、しっかりとした登山靴に比べると「足を守ってくれる」という機能が大いに劣ることも間違いないでしょう。何かあった時のことを想定すると、冒頭の店員さんたちからアドバイスされた通り、「心許ない」気はします。
しかし、その「心許なさ」を上回る「履き心地の良さ」がLONE PEAK 8にあることも間違いないんですよね。
結局、ある程度のリスクは覚悟しつつ、場面に応じて使い分けることになると思いますが、今後も日帰りの低山登山やハイキングではLONE PEAK 8を選ぶことが増えそうです。
最後に、僕と同じように、幅広の足で選択肢の無い方、ぜひLONE PEAK 8を試してみて下さい。「指先が自由に動く〜!」と感動してしまうと思いますよ。デザインが許すのであれば、普段履きのシューズとしても快適です。ぜひお試しを。
【紹介アイテム】
LONE PEAK 8(ローンピーク 8) ¥19,800
・重量: 303g(Mens US10.5 / 28.5cm)
・ミッドソール:Altra EGO™
・アウトソール:MaxTrac™
・クッション:Moderate
・スタックハイト:25mm
・アッパー: リップストップ メッシュ
おすすめ度:
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