2016年11月22日に開館した「すみだ北斎美術館」に行ってきました。
「すみだ北斎美術館」は、葛飾北斎が人生のほとんどを墨田区周辺で過ごした事にちなんで建設された美術館です。
これはきっと両国の新名所になるのでは?とかなりの期待をして訪問した「すみだ北斎美術館」。実は「ちょっとそこはひどいんじゃないの?」という点もありましたので、その点にもふれつつ現地の様子をお届けします。
※最後に追記していますが、現在はオープン直後の混雑は解消されており、当記事に記載しているような行列は発生していない可能性があります。
目次
「すみだ北斎美術館」の設計は妹島和世さん
現地に到着すると、どーんと目に入るのはかなり印象的なその建物。
この美術館を設計したのは著名な建築家、妹島和世さんです。
ミラーになった外観に青空が反射した姿は大変美しく、美術館内に入る前にしばし見とれてしまいました。
「すみだ北斎美術館」の開館にはすったもんだがあったようで、計画自体はかなり以前からあったのですが、予算不足の為延期に。「墨田区北斎基金」として全国から寄附を募るなどしてようやくオープンにこぎ着けた美術館です。
妹島和世さんに設計をお願いする事が、高いのかそうでもないのかは業界に疎いので全くわかりませんが、いずれにしてもこの外観は訪れた人にかなりの期待を抱かせるものである事は間違いありません。
すみだ北斎美術館の訪問は事前のチケット購入が賢いかも
写真を一通り撮り終え、ようやく館内に入ろうと思ったら建物の外まで行列ができています。
一瞬、伊藤若冲展のひどい行列を思い出し、かなりウンザリしてしまいましたが、係の方に聞くと15分程度でチケットを購入可能との事。
そう、この行列は「チケット購入者」の行列なんです。
チケット購入済みの方は行列に並ぶ事なくあっさりとエレベーター前(ここでも行列なんですけどね)へ進む事が可能です。
調べてみたところ、企画展は前売り券の販売を周辺の施設で行っていたようです。
常設展示のみのチケットを別の場所で購入できるのかどうかは分かりませんでしたが、企画展目的で訪問するのであれば、前売り券を事前購入しておくべきですね。
チケットカウンターから建物の入り口まで非常に距離が短い為、ちょっと混雑しただけで外まで行列ができてしまいます。この日は寒いながらも晴天だった為問題なかったですが、雨の日や、もっと寒い日(暑い日も)に外で並ぶ事になるのは悲惨です。
あれ?この建物少し動線わるくない?と不安になったのはここがスタート(詳しくは後述)
「すみだ北斎美術館」の料金
常設展示は大人400円、現在開催されている企画展は1,200円でした。
企画展の料金で常設展示も観る事ができるとの事でしたので今回は企画展(開催されていたのは『北斎の帰還』)をセレクト。海外に流失し、最近まで100年近く行方不明だった幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻」が目玉の企画展です。
常設展示 料金
一般 400円(団体320円)
高校生、大学生、専門学校生、65歳以上 300円(団体240円)
未就学児童、小学生、中学生 無料
企画展 料金
企画により異なる
「すみだ北斎美術館」の常設展示は工夫が多くて面白い
チケットを購入するとエレベーターで4階へ。4階では常設展示と企画展が開催中です。
最初に見たのは常設展示。常設展示に葛飾北斎の作品が数多く展示されているのですが、要所要所にオープンしたばかりの美術館らしい工夫がありました。
作品の近くには多くの説明用モニター(タッチパネル式)が用意されています。
このモニター、日本語はもちろん、英語や中国語にも対応してます。北斎の人気は海外でも大変高いものがあるだけに非常に活躍するんじゃないでしょうか。海外から来た知人を連れてきても安心ですね。
気持ち悪いくらいリアルな北斎人形(リアルなだけじゃない!)もあり、大人もはしゃいでしまいます。
あと、常設展示会場内は写真撮影も可能(一部撮影不可も作品あり)です。美術館内の写真撮影は賛否ありますので周りに気をつかいながら撮影する必要がありますが、これは嬉しい方も多いのでは?
一方、企画展の方は館内撮影不可ですのでご注意ください。
企画展「北斎の帰還」はやや寂しい内容
常設展示とは反対に、開催されていた企画展「北斎の帰還」にはやや寂しい印象をうけました。
目玉作品「隅田川両岸景色図巻」には感心するものの、全体的に見せ方にあまり工夫がなく、活用されていない壁面が目につくなど、「雰囲気作り」に失敗しているように感じます。
これは時間が無かったのか、はたまた予算不足なのかは分かりませんが、常設展示が好印象だっただけに拍子抜けしてしまいました。
また、常設展示では他言語対応していた作品解説も、企画展ではタイトルを除き日本語のみになるなど、ちょっと中途半端な対応のように感じます。
結構ひどいかも、「すみだ北斎美術館」は動線が悪すぎる
展示については「こんなものかな?」という感想ですが、建物についてはあまり良い印象を持ちませんでした。
美術館自体が非常にコンパクトなため、混雑してしまうことは仕方がないことなのかもしれません。
しかし、それにしても「すみだ北斎美術館」は動線が悪すぎるように感じます。
・チケットを買う行列
・4階までの上がるエレベーターの行列
・1階まで戻るエレベーターの行列
など、要所要所で行列が発生する造りになっています。
企画展を見終えた後、3階から出口の1階に戻るには、階段が無いため必ずエレベーターに乗る必要があり、4階と3階それぞれの階でエレベーター待ちの行列が発生してしまうんですよね。下りぐらい階段でOKって方は多いと思うのですが、強制的に行列に並ぶ必要がありです。
繰り返しになりますが、オープン直後で混雑している影響が大きいのは分かります。
しかし建物の造り自体がどうも微妙なんじゃないかしら。いくら展示内容が良かったとしても、ひどい行列にうんざりしてしまい、再び訪れたいという気になれません。
混雑する時間は極力避けるが吉
こうなると、当分極力混雑しそうな週末の日中は避け、平日や朝イチ、若くは閉館直前に訪問する方が良さそうです。
開館時間は9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)ですので、夕方の訪問ならば16時半ごろがベストかもしれません。そんなにじっくりと観ないのであれば1時間程度で常設展示と企画展どちらも回れそうです。
あと、係の方の案内にもありましたが、常設展示と企画展のどちらも見学するのであれば、先に常設展示から見学した方がスムーズに動く事ができます。(4階常設展示→4階企画展→3階企画展)
また、ロッカーが地下1階にありますので、周りの迷惑にならない為にも大きな荷物は事前に預けておくべきでしょう。
まとめ
やや辛口になってしまった「すみだ北斎美術館」の感想でした。
展示内容とは関係のないところでストレスを感じてしまうのはかなり残念でした。
ただし、事前にこの問題を把握しておけば、チケットの事前購入(要確認)や、混雑時間を避ける事で多少問題を回避する事は可能だと思いますし、今後運営方法で改善されることもあるでしょう。
そもそも、この混乱がいつまでも続く訳でないことは間違いないはずで、落ち着いた時期に再訪すれば、もっと快適に楽しめるのではないかと思います。
今後に期待しながら、また(いつか)訪問したいと思います。
2023年5月に再訪したので追記
オープン以来、久しぶりにすみだ北斎美術館を訪問しました。
やはり、当時のような混雑はなくなり、チケットの購入は非常にスムーズです。
ただし、あいかわらずエレベーターの利用は必須です。
もともとこんなものだと知って訪問できればまだ良いのですが、何も知らずにこの動線の悪さを体験するとストレスを感じ、すみだ北斎美術館の評判を落としてしまいそうです。
すみだ北斎美術館訪問時は、「動線が悪い」ということは覚悟しておいて、どうか心に余裕をもって訪問されてください。
すみだ北斎美術館のアクセス
すみだ北斎美術館
所在地: 〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7番2号
開館時間:9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始
公式HP:https://hokusai-museum.jp/
「すみだ北斎美術館」の最寄り駅は「両国駅」です。
両国駅は都営大江戸線の「両国駅」と、JR総武線の「両国駅」がありますが、近いのは都営大江戸線の「両国駅」。徒歩5分程度で到着可能です。JR総武線の「両国駅」からだと9分〜10分程度かかってしまいますので少し遠く感じるかもしれません。
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