大切に使用していたザックやリュック。いざ使おうと思い押し入れから出したところ、内部のコーティングがボロボロなんて事はありませんか?
コーティングが剥がれてしまうと、収納した物にコーティングが付いてしまいます。もったいないですが、可能なかぎりそのまま使用する事は避けたいものです。
では、愛着のあるザックやリュックを内部のコーティング劣化だけの理由で捨ててしまうしか方法は無いのでしょうか?
目次
ザックのポリウレタンコーティングがボロボロに劣化する理由
ザックやリュックの内部には、防水性を目的としてナイロンにはポリウレタン(PU)コーティングが施されています。このポリウレタンが水に反応し加水分解がおこり、劣化(コーティングの剥がれ)が発生してしまうのです。
加水分解は使用状況や保存状態によって程度の差はでますが、完全に防ぐ事はできません。特に湿度の高い日本では、加水分解の発生によりコーティングの剥がれが比較的早いタイミングで発生してしまう事が多いようです。
劣化を少しでも遅らす為には、使用後のお手入れや保管状態に気をつける必要があります。
加水分解したザックはメーカー修理(再コーティング)できないの?
加水分解が避けられないとなると、気になるのは、加水分解したザックはメーカーで修理できないのか?ということではないでしょうか。
残念ながら、多くの場合、加水分解したザックをメーカーで修理する事はできません。メーカーに修理を依頼しても、断られるか買い替えを提案されることになると思います。
加水分解が気になるならば、あらかじめmacpac社のAZTECのような、加水分解が発生しにくい素材の商品を選ぶのも手かもしれませんね。
摩耗に強いコットンと、腐食に強いポリエステルの混紡糸を独自のブレンドで織り合わせたmacpacのオリジナル生地素材。
この生地専用に設計された織機によって、高密度にしっかり織り上げた後、防水液を浸透させることで、2つの素材の長所をより高めた強靭な生地が生まれました。引用:macpac公式ページより
重曹を使いリュックのポリウレタンコーティングを剥がす方法もあり
現状、劣化してしまったザックを修理する方法はなく、剥がれてきたコーティングを全てとってしまうしかありません。
ただし、全てのコーティングを取り除くことは大変です。僕もワイヤーブラシで全て剥ぎ取ってしまう方法にチャレンジした事がありますが、手間がかかりますし、ザックが大物だと本当に大変でした。
そこで、おすすめな方法が一つあります。
それは「重曹」を使う方法です。
以下、簡単ですがその手順をご紹介します。
注意ポイント
コーティングは、防水性だけでなく生地の強度を高めるためにも使われています。重曹ですべてをのコーティングを取り除くことで、生地の強度も弱まることを理解したうえで行なってください。
1.小物はポリ袋やバケツ、大物であれば風呂場の浴槽を使用してぬるま湯(45℃程度)を貯める
2.ぬるま湯に重曹を入れ一昼夜放置
3.落ち具合を確認し、ブラシなどで全て落とす
重曹に漬けていただけでは落ちにくい箇所もありますので、ブラシなどで全て落とします
4.乾かして(日陰干し)完成!
↓コーティングを剥がす前↓
↓コーティングを剥がした後↓
大きなザックの場合、全てを綺麗に取り除くのは大変ですが、以前とは比べ物にならないくらいコーティングを落とす事は可能です。
注意点としては、防水機能を完全に取り払ってしまいますので、今後の利用にはレインカバーの利用や、スタッフバッグの利用で浸水に備えた方が良いでしょう。気になる方は、市販の防水液を塗っても良いようです。
まとめ
以上、コーティングが剥がれてきたザックの対処方法のご紹介でした。
逃げ場の無い登山で使用するのとは違い、旅行や普段使いすのであれば、ザック自体の防水機能は必要無い場面も多々あります。愛着のあるギアを捨ててしまう前に、一度コーティング剥がしを試してみてはいかがでしょうか?
しかし、重曹って本当に万能ですね。
洗濯や掃除はもちろん、料理にも使えますので常備しておいて損はありませんよ。
【参考サイト】
ザックなどの劣化したPUコーティングの除去方法(ヤマコレ)
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