2020年のオリンピック開催に向け、JR東日本は原宿駅の新駅舎建築を計画中。早ければ2016年度中に工事が開始されるようです。
原宿駅といえば、その知名度からは想像できないくらいレトロな駅舎が特徴ですが、現在の駅舎はどうなってしまうのでしょう?
近所の用事ついでに原宿駅を撮影してきましたので、写真の紹介も兼ねて原宿駅についてまとめてみます。(撮影機材:リコー GRD3 )
原宿駅の歴史的価値
現在の駅舎は1924年(大正13年)に竣工した木造建築で[1]、都内で現存する木造駅舎で最も古い。建物は二階建てで、尖塔付きの屋根に白い外壁という、イギリス調のデザインとなっている[2]。窓格子は二重斜格子文で、階段に使用されている廃レールには、1950の刻印が見られる。
Wikipedia
著名な建築家が設計したわけではないため、古さ以外にその建造物としての価値を認められていないようで、重要文化財の認定はされていません。
ただ、「関東の駅百選」には認定されています。認定は運輸省関東運輸局が行ったようですが、その価値を放棄するほど新駅舎が必要なのでしょうか?
ステンドグラスは派手さこそありませんが、渋くて素敵です。
僕のような田舎者や、海外からの旅行者にとって、流行の最先端である原宿と、この駅舎とのギャップこそが素晴らしいと感じると思うのですが。
実際、当日も多くの外国人観光客が駅風景を撮影していましたよ。
なぜ新駅舎を新築するの?
冒頭にも書きましたが、新駅舎建設の理由は、原宿駅がオリンピック会場に近く、混雑が見込まれるためのようです。
改札口、確かに狭いですね。
券売機の数も多くありません。オリンピックにどれだけの観戦者が原宿駅を利用する試算なのかは知りませんが、オリンピック期間中に混雑しそうな気はします。
しかし、原宿駅の乗降者数はJR東日本エリアで62番目の1日約7万人。少ないとは言いませんが、年始の明治神宮参拝者数が含まれた数であるならば、そんなに大量の乗降者数を誇る駅ではありません。
たった2週間のオリンピックのために歴史ある建物を壊してして良いのか?と疑問に思うところもあります。
ただ、駅舎を立て直すもう一つの理由として、施設の老朽化があるのは間違いないでしょう。
実際古さを隠しきれない箇所がいたるところにあります。
壁も一部剥がれています。この古い駅をメンテナンスしていくのは費用も労力も大変なのでしょう。
ただ、その古さも含め、原宿駅の良さだと思うんだけどなぁ。JRが営利組織である以上、採算を重視するのは仕方ないと思いますが残念です。
新駅舎の完成イメージ
今の駅舎の面影は全く無くなりそう。
改札、コンコースは拡張されるようですね。
現在の原宿駅駅舎はどうなるの?
まだその扱いは決定していないようです。
現駅舎を取り壊すかどうかは、まだ決めていないという。JR東の冨田哲郎社長は「地元の皆様や渋谷区の意見もうかがい、検討したい」と話した。
朝日新聞記事より
今後様々な議論がされるのでしょうが、保存するとしたら利用されていない駅の保存・維持費用をだれが払うのか?という問題もでてきますので、簡単には決まらなそうです。
まとめ
地震や湿気の多い日本の気候では、古い建物を維持・利用することは、素人が考えるほど容易でないようですが、90年近く東京の移り変わりを見続けた原宿駅が引き続き何かしらの形で残る事を願いたいものです。
追記:旧原宿駅は外観を再現し建替えが決定しました
旧原宿駅は、新駅舎の隣に、旧駅舎建物の外観を可能な限り再現して建替えることが決定しています。
詳細:旧原宿駅舎は、地域に親しまれてきた西洋風建物の外観を再現して建替えます(JR東日本)
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