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カシオ プロトレック『WSD-F20』の販売が絶好調な理由を考えてみた

2017年4月12日

発売開始となったカシオのスマートアウトドアウォッチ『WSD-F20』の販売が絶好調のようですよ。

Amazonの時計ランキングでは最近不動の1位。3位には別カラーがランクインするなど、かなりの人気を集めている模様です。

スマートウォッチと言えば、アップルを含めた各社の懸命なプロモーションにも関わらず、いまいち流行りきっていない印象ですが、『WSD-F20』がここまで注目と人気を集めている原因はどこにあるのでしょうか?

 

『WSD-F20』の販売が好調な要因

『WSD-F20』はiOS対応が進んだから?

先代「WSD-F10」が発売されたのは2016年3月25日。約1年前の事となります。

「WSD-F10」もリリース時はタフなスマートウォッチの誕生としてかなり話題となっていましたが、GPS未搭載であったり、日本では圧倒的なシェアを持つiOS(iPhone)との連携がイマイチだった為か、お世辞にも大人気とは言えない状態でした。本来OSがAndroid Wearである事を考えると対応してくれただけでありがたいのですが、フルに使えない時計に数万円も投資する人はあまりいませんよね。

僕もアウトドアショップまで現物を見に行った事がありますがイマイチ物欲を刺激されずに終わってしまいました。

しかし、今回発売となる『WSD-F20』は、弱点と言われていた「GPS搭載」と、 iOSとの連動が進み、iOSでもアプリのほとんどを利用できる等、大きく進化しています。

両OSの対応状況については、iOSとAndroidの機能比較がメーカーサイトに掲載されています。

確認したところ、完全に非対応となる機能は以下のみ。

・なみある?(Android Wearアプリ)
・GO⾬!探知機(Android Wearアプリ)
・MOMENT LINK

完璧に同じ事ができる訳ではありませんが、iOSだからと言って使い物にならないなんて事は全くなくなったようです。

Android、iOS機能⽐較表(カシオ)

『WSD-F20』はGPSを搭載したから?

「WSD-F10」から大きく進化した点として、先述したように『WSD-F20-RG』はGPSを搭載している点があげられます。この事によりスマホに依存する事なく地図が利用でき、『WSD-F20-RG』単独で位置情報を取得する事ができるようになりました。

先代「WSD-F10」はスマホ連携ありきの機能が多く、スマホ無しでは途端にできる事が少なくなってしまう、少し残念な使用でしたよね。

僕もこの「GPS搭載」が要因で一気に『WSD-F20』に興味がでてきました。僕は登山なんてほとんどしませんが、それでも活用できそうな場面がありそうなんですよね。

例えば、『WSD-F20』はロケーションメモリーという独自アプリを搭載しているのですが、オフラインでも地図上にポイントを残す事ができます。バス釣りのポイントを残しておいたり、旅行先で気になったお店のポイントしておいて、後で訪問するなど、ちょっと便利な使い方ができそうなんです。

別にスマホですれば良いじゃないかと言われたらそれまでですが、アウトドアや旅行中に、スマホを取り出さずにこれができる事に魅力を感じます。

『WSD-F20』はプロトレックシリーズとして発売されたから?

『WSD-F20』は「PRO TREK(プロ トレック)」シリーズとして発売されました。

「WSD-F10」もアウトドアシーンに強いスマートウォッチとして発売されてはいましたが、今回「PRO TREK(プロ トレック)」として発売されるという事は、カシオも『WSD-F20』に対して相当な自信を持っているじゃないでしょうか。

デザイン面でもよりアウトドアギアとしての要素が強くなり、「タフさ」を感じるデザインとなりました。

すっかりマーケティングの罠にハマってしまっているだけかもしれませんが、「プロ トレックなら間違いないはず」なんて気になってしまうんですよね。

発売前から「プロ トレック」のスマートウォッチが欲しくて予約していた方、多いんじゃないかなぁ。

WSD-F20はWSD-F10の弱点を大きく改善

なんだかんだ言っても、『WSD-F20』が人気を集めている理由は

「WSD-F10」の

・GPS未搭載の為単独でできる事が少ない
・iOSとの連動がいまいち

等、消費者が不満を感じていた点を改善してきたからなんでしょうね。

簡単ですがWSD-F20とWSD-F10の機能表を作ってみましたので比較しておきましょう。

WSD-F20と WSD-F10の機能比較

 WSD-F20 WSD-F10
GPS搭載 (GLONASS※1、みちびき対応) 未搭載
カラー 地図機能搭載 (オフライン対応)スマホ連動で使用可能
OSAndroid Wear 2.0Android Wear 1.5 (2.0に対応)
ディス プレイ

1.32インチ 2層構造
カラーTFT液晶+モノクロ液晶
カラー 320×300 ピクセル

1.32インチ 2層構造
カラーTFT液晶+モノクロ液晶
カラー 320×300 ピクセル

タッチ パネル静電容量式タッチパネル
(防汚コーティング対応)
 静電容量式タッチパネル
防水性能5気圧 5気圧
耐環境 性能MIL-STD-810G (米国防総省が制定した米軍の物資調達規格) MIL-STD-810G (米国防総省が制定した米軍の物資調達規格)
センサー圧力(気圧/高度)センサー、 加速度センサー、 ジャイロセンサー、 方位(磁気)センサー圧力(気圧/高度)センサー、 加速度センサー、 ジャイロセンサー、 方位(磁気)センサー
マイクロ フォン ◯ ◯
バイブ レーター ◯ ◯
バッテリーリチウムイオン電池 リチウムイオン電池
無線Bluetooth® V4.1 (Low Energy 対応)
Wi-Fi (IEEE802.11 b/g/n)
 Bluetooth V4.1(Low Energy対応)
Wi-Fi( IEEE802.11 b/g/n)
ボタンTOOLボタン、 電源ボタン、 APPボタン TOOLボタン、電源ボタン、APPボタン
充電方式マグネット圧着式充電端子 マグネット圧着式充電端子
充電時間常温で約2時間 常温で約2時間
電池寿命
(GPS 使用なし)
通常使用(カラー表示): 約1日
通常使用(カラー表示オートOFF):約2日
時計のみ(タイムピースモード):約1ヶ月以上
(使用環境によって変動します)
通常使用:約1日以上
通常使用(カラー表示オートOFF):約2.5日以上
時計のみ(タイムピースモード):約1ヶ月以上
(使用環境によって変動します) 
電池寿命
(GPS 使用時)

毎秒測位(カラー表示): 6~8時間(精度優先)/ 約18時間(バッテリー優先)
毎秒測位(カラー表示オートOFF※4): 7~9時間(精度優先)/ 約25時間(バッテリー優先)
間欠測位(カラー表示): 約1日(6分間隔測位)
間欠測位(カラー表示オートOFF※4): 約2日(6分間隔測位)
(使用環境によって変動します)

 
本体 サイズ

WSD-F20:約 61.7 × 57.7 × 15.3 mm
WSD-F20S:約 61.7 × 57.7 × 15.1 mm 

約61.7×56.4×15.7mm
質量WSD-F20:約 92 g (バンド含む)
WSD-F20S:約 105 g (バンド含む)
 約93g(バンド含む)

大きな違いはやはりGPSの搭載ですね。その他の基本スペックはそれほど大きな違いはありません。

気になる点としては、予想通りではありますがGPS使用時の電池の持ちは相変わらずイマイチのようです。使い方次第でかなり違うようですが、「機能を使うと半日しか持たない」との評価をチラホラ見かけます。

GPS使用時にもう少し長時間使えるようになると、よりスマートウォッチとしての価値が向上すると思うのですが、現状はるかに大きなバッテリーを搭載したスマホの使用時間を考えると、この小さいボディでそれを実現するのはしばらく難しいのでしょうね。

あと、人気トレッキングGPSアプリ「YAMAP」との連携が今のところかなり不安定なようですが、こちらの問題は直近のバージョンアップで対応予定とアナウンスされています。

まとめ

  • GPS搭載
  • iOS対応状況が大幅に改善
  • プロトレックシリーズとして発売

と、前機種から確実に進化して登場した『WSD-F20』。まだまだ完璧な商品とは言えないかもしれませんが、他社製品には無いタフなスマートウォッチとして着々と進化している事は間違い無さそうですね。

僕も既に時計以外の機能が働かなくなったスント・ベクターの代わりとして欲しくなってきました。

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