過去に何度かレビュー記事を書いているカメラアクセサリーメーカーK&F Concept社より、今度は「防水のカメラバッグを出したから使ってみない?」と連絡を頂きました。
僕の場合、雨が降ることを前提とした環境でカメラを持ち運ぶことは多くないものの、移動中に突然大雨遭遇したりとか、手持ちの荷物が多すぎてカメラを入れているカバンの保護(雨から)にあまり気を使えないなんて事が時々あり、防水カメラバッグの必要性を常々感じていました。
そんな中、素晴らしくグッドタイミングでお話を頂いた訳ですから断る理由はありません。
K&F Concept社謹製防水カメラバッグ(品番:KF13.096)の使い勝手はいかに?早速レビューしたいと思います。
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目次
デザインはカメラバッグ感控えめで好印象
防水仕様については後ほど少しだけ詳しくレビューすることにして、まずは全体的な仕様から確認していきましょう。
最初に気に入ったのはカメラバッグに見えないデザインです。僕はいかにもカメラを持ち運んでいる感の強いカメラバッグが苦手なのでカメラバッグ選びにはいつも苦労するのですが、この防水カメラバッグはかなり「カメラバッグ感」が控えめです。
ロゴがそれなりに主張する場所にある為、分かる人にはすぐ分かるのかもしれませんが、詳しく無い方が見たらこれがカメラバッグだとは思わないのではないでしょうか。
実は実物が届くまでカモフラ柄には否定的でした。担当の方にも「ブラックが良いと思う」なんて返信してしまったぐらいです。しかし、実際にはおしゃれなカモフラ柄が使われていて、カジュアルな服装ならばかなり合わせやすい柄だという事に気が付かされました。
カメラとレンズの収納力は最低限
カメラは下部に収納し、サイドからアクセスできようになっています。取り出し口は一箇所のみなので、背面や前面からも取り出しできるカメラリュクに比べると扱い難さを感じます。
仕切りは柔軟にアレンジ出来ますが、クッション性はやや低めです。
収納できるのはデジタル一眼レフカメラが1台とレンズが2本程度。けして大容量ではなく、厳選したカメラとレンズ数本を持ち運ぶようなシーンで使うことになりそうです。とはいえ、僕は基本的にカメラ1台にズームレンズを付けっぱなし。時々もう1本単焦点レンズを持ち歩くぐらいですので全く問題ありません。
上部には多くの荷物を入れられる
上部はかなりしっかりとした質感の留め具が使われています。
入り口はジッパー付き。きちんと荷物を保護することができそうです。
2気室構造になっていて、カメラ収納部分の下部と上部は仕切られています。(仕切りは取り外すことも可能)
屋外で撮影をした日はタオルや財布、あとはパタゴニアのフーディニジャケットとミラーレスカメラを上部に入れていましたが余裕がかなりありました。総容量は20L。けして大容量のバッグパックではありませんがカタログ値以上に荷物が入る気がします。
また、ノートパソコンやタブレット用の収納スペースもあり、パソコンならば15インチ程度まで持ち運ぶことが可能です。(写真はiPad)
気の利いた収納達が便利
サイドポケットには三脚を差し込んで持ち運ぶことができます。
三脚以外にも傘やペットボトルを収納することができるこのポケットはかなり重宝しそうです。
フロントにはポケットが2つ付いています。僕はリモートコードやレンズクリーナー、フィルターなどのカメラアクセサリーを入れてみました。
カメラを取り出すサイドにもポケットが2個ついていて、電池やメディアを収納するのに便利です。(メディアのイラストが付いたポケットは2つに仕切られていています)
旅用のカメラバッグとしても優秀
K&F Conceptの防水カメラバッグはその名の通り「カメラバッグ」なんですが、旅を意識した仕様がところどころに散りばめられています。
重い荷物を入れた長時間の移動には欠かせないチェストベルトはもちろん、
盗難防止用の留め具もあります。バッグを椅子やテーブルの脚などに固定することで簡単に持ち去られないようになります。
ちなみに、前面右側のポケットはスキミング防止機能まで備えていています。
安全性も考慮されていて、ベルトの先端に使われていいるオレンジの素材は単なるデザインはなくライトの反射素材が使われています。
背面にはスーツケースに固定できるようにストラップが付いています。
防水機能も充実
このカメラバッグ(品番:KF13.096)は、防水性能が売りのひとつです。具体的にはIPX4級の防水力を備えています。
「IPX4級」と聞いても正直全く想像がつきませんが、規格では「水の飛沫に対して保護」と書いてあります。
水の飛沫に対して保護?
これまた分かりにくい表現ですが、いろんな情報から判断すると短時間の霧雨程度なら耐えられるぐらいの性能だと思っていた方が良さそうです。
兎にも角にも、まずは防水に関する細かい仕様を見てみましょう。
止水ジッパー採用&レインカバー付き
バッグの上部はクルクルとまるめて止めます。防水バッグにはよく採用されている仕様です。
カメラの取り出し口と前面のポケットには止水ジッパーが使われています。
ただし、カメラの取り出し口の上部左右まで完全に閉められる仕様ではなく、上蓋が付いているものの水が侵入してこないのか心配になります。
やはりカメラバッグ自体で守れるのは「霧雨程度」と割り切り、本格的な雨の場合は付属のレインカバーを使用した方が良さそうです。
K&F Concept防水カメラバッグの防水性能をテストしてみた
いつもならばこの辺りでレビューは終了ですが、今回はこのカメラバッグが実際にどのぐらいの防水力があるのかを知りたくなってしまいました。なにせ公式サイトやAmazonでは「防水力抜群」なんて書かれているんですもの。実はIPX4どころではない防水力を持っているんじゃないかと期待してしまったのです。
ベランダにカメラバッグをセットして、
じょうろで水をかけてみたいと思います。
用意した水は3リットル。そこまで多くは無いですが、短時間で大雨に遭遇したぐらいの濡れ方にはなりそうです。
実験を開始した直後に気がついたのは、素材があまり水を弾いていない事です。あれれ、ちょっと不安になってきました。
それでもテストを止める訳にはいきません。一番肝心のカメラ取り出し口にもお構いなしに水をかけてしまいましょう。
止水ジッパー、どうか耐えていてくれ!
あ、、、濡れてる。
カメラの収納スペースは濡れていませんでしたが、蓋の部分は水が染み込んでいます。
上部も裏側まで水が染みていました。
どうやらこのカメラバッグに使われているナイロン素材の耐水性がかなり低い気がします。簡単に水が染みてしまうのです。
これではカメラバッグ単体の防水性は期待しない方が良さそうですね。防げるのは短時間の霧雨程度かしら。やはり雨が降ってきたら迷わずレインカバーを使用すべきでしょう。(レインカバーは何の問題もなく水を弾いてくれました)
まとめ:防水性は低いけれどおしゃれなカメラバッグとしては超優秀
K&F Concept社の製品をレビューすると毎回コストパフォーマンスの高さに驚かされていますが、今回の防水カメラバッグに関してはやや厳し目の評価を付けなくてはなりません。防水をセールスポイントにしているカメラバッグとしては残念な性能だと言わざるを得ないと思います。
ただし、これが防水性能を無視したカメラバッグとしての評価となると別の話です。細かい使い勝手までしっかりと考えられていて使いやすいですし、なによりも想像以上に作りがしっかりとしています。
この防水カメラバッグは8,000円程度の商品ですが、とてもそんな値段には思えないぐらいの質感の高さを感じます。しかもデザインも悪くない訳ですから、カメラバッグ自体に防水性能を期待しない方ならば選択肢から外すのはもったいない逸品です。
まとめると、おしゃれで気軽に使えるカメラバッグを探している方には、このカメラバッグはかなりおすすめです。使い勝手に不満はありません。残念ながら防水性能については期待できませんが、いざという時はレインカバーを使いましょう。
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